続・米澤穂信作品の繋がり~神垣内連峰~
こんばんは。
久々の更新です。
実は今(というかいまさら)、
年明けに岐阜県図書館で行われた米澤先生の講演会のレポートを
箇条書きのテキストから外向きにまとめているところです。
近いうちにこちらで公開させていただく予定なので
どうぞご期待ください。
はい、というわけで本題です。
しばらく前に、「米澤穂信作品の繋がり」という題で
こんな記事を公開させていただきました。
bluenovels.hatenablog.jp
ご覧になると分かると思うのですが、
いくつかの米澤穂信作品には共通するワードが登場してるんだぜ!
という記事です。
今回はここで扱った神垣内連峰について少し調べました。
神垣内連峰といえば、
「ぼくたちの米澤穂信」特集の野性時代56号に掲載された
〈古典部〉シリーズの短編「連峰は晴れているか」に登場する場面が最も有名でしょう。
ところが、この「連峰は晴れているか」ですが
雑誌版とアニメ氷菓BD9巻の特典冊子版の二種類が存在しています。
さて、ここで各媒体に神垣内連峰が登場する場面を見てみると少し不思議なことが。
雑誌版 :神垣内連峰(かみかきうちれんぽう)
氷菓特典版 :神垣内連峰(かみこうちれんぽう)
単行本版 :神垣内連峰(かみかきうちれんぽう)
※12/3 単行本『いまさら翼といわれても』発売につき追記
どういうわけか、ルビが違います。
ちなみに、アニメ氷菓では「かみかきうちれんぽう」と呼ばれていました。
これは誤植なのか?
誤植ならなぜこんな誤植になったのか??
ということで調べてみました。
さて〈古典部〉シリーズの舞台である神山市は、
米澤穂信先生の出身地でもある岐阜県高山市をモデルにしているということは広く知られていると思います。
そこで、さっそく高山市周辺にそれっぽい山がないか調べてみました。
まずは高山市から北東へ。
山がたくさんある方へ。
ん?
あ、あった!!!
見つけたのは「上高地(かみこうち)」という山でした。
かみこうち!
氷菓特典版の読みと一致します。
ということはここが神垣内連峰のモデルで、
氷菓版は元ネタのルビを振ってしまったということでしょうか?
とおもってウィキペディアを調べてみると……。
上高地 - Wikipedia
「かみこうち」の名称は本来「神垣内」の漢字表記だが、後に現在の「上高地」の漢字表記が一般的となった。
「神垣内」とは、穂高神社の祭神・「穂高見命」(ほたかみのみこと)が穂高岳に降臨し、この地(穂高神社奥宮と明神池)で祀られていることに由来する。
ナ、ナンダッテー!?
まさかの実在する地名でしたよ神垣内。
ただ、作品内で登場する読みはやはり「かみかきうち」の方が多いので、
あくまで実在する神垣内とは別の次元の存在ということなのでしょうか。
※『連峰は晴れているか』が単行本にまとまり、表記が「かみかきうち」であることが確定しました。